トラバーチン
化学過程 (液相成長) - 地上
別名
石灰華
生成に必要な地質環境
産状
温泉水から沈殿する方解石とあられ石の集合。トゥファとともに石灰華と呼ばれる。 トゥファが石灰岩と天水の反応によって生成した土壌CO2起源の石灰華であるのに対し、 トラバーチンは温泉水から沈殿した熱水CO2起源の石灰華を指すことが多い。 二酸化炭素とCaイオンを多く含む温泉水の湧出口付近に、タワー、ドーム、マウンド、リムプール、リムストーンなどを形成する。 内部には年輪構造がみられることがある。堆積速度は、数百mm/年と見積もられている。 沈殿は以下の過程で起きると考えられている。
温泉水が大気と接触して二酸化炭素が脱ガスし、温泉水中の溶存二酸化炭素濃度が低下して次の反応が進む。
HCO3- + H+ = H2CO3 = CO2 (aq) + H2O
これにより温泉水のpHが上昇し、アルカリ性になると、次の反応により炭酸イオンが生成する。
HCO3- + OH- = CO32- + H2O
炭酸イオンが温泉水中のCaイオンと結合し、方解石またはあられ石が沈殿する。
CO32- + Ca2+ = CaCO3 (方解石)
鉱物組み合わせ
方解石、あられ石