白滝沢(しらたきざわ)
栃木県(とちぎけん)日光市(にっこうし)湯西川(ゆにしがわ)
産状
付加コンプレックスである丹波-美濃-足尾帯の後期 ジュラ紀 (1億6000万年前, 160 Ma)の黒保根-桐生ユニットに 貫入した後期 白亜紀 (1億年前, 100 Ma)の花崗岩によって生成された小規模な珪灰石スカルン。 花崗岩はS型(チタン鉄鉱系列)で、花崗岩までの距離は約500m。 石灰岩は、おそらくペルム紀 (2億7000万年前, 270 Ma)のもの。 堆積年代は放散虫化石による。
黒保根-桐生ユニットの珪灰石スカルンの露頭。 コインの下の茶色の部分は、変成を受けたチャート。右下の灰色の部分は変成した石灰岩で、コインのすぐ右の白色不透明な部分が繊維状の珪灰石の集合。 やや緑色かかったバンドは緑簾石、暗灰色のバンドは石墨の細かい結晶が含まれている部分と思われる。 珪灰石は、次の反応で生成されたと思われる。
3CaCO3 (方解石) + 3SiO2 (石英) → Ca3Si3O9 (珪灰石) + 3CO2↑
ここでSiO2はチャートより、CaCO3は石灰岩より供給されたと考えられる。
産出鉱物
- 珪灰石
- 方解石
鉱物組み合わせ
- 石英 - 珪灰石 - 方解石